【前回までのあらすじ】
胸を膨らませて始まったミミズとの新生活(はぁと)。しかし、現実は、夢見たようには行かず、思ったよりワイルドなミミズたちに戸惑う主人公ジュリー(アラフォー)。衝突などを経て、ようやく、ミミズたちも新しい生活に慣れてきたかのように思うが……?
「早くみーくんに会いたい…っ。餌あげなくっちゃ…!」
ジュリーは、小走りにバルコニーへと走り、網戸に手をかけた。
「…ッ?」
一瞬、手が止まる。
ベランダの床に無数のミミズが見えた気がしたのだ。…がそれは見間違いだった。
(大丈夫!みーくん、やっと新しい家に慣れてくれたはずだもん!)
微かな胸の高鳴りと共に蓋を開けたジュリー。
ぎやぁーーーーーーー!
まただよ!また!蓋に、ミミズが、群がってるよ!
…ミミズめぇ!
このっ!このっ!
えい!えい!えい!
↑外に溢れそうなミミズを中に押し込んでいる。
ぜぇぜぇぜぇ。
なんなの、この人(←ミミズ)たち?
何が不満なの?
ココナッツ繊維とピートモスに、砕いた卵の殻と言うふっかふかのベッド材。
適度な湿り気。
たっぷりの空気穴と風通しのよい日陰。
ミミズたちにとって、最高の居心地じゃないの?
もう、知らないっ!
半ば不貞腐れて眠りについたジュリー。
…
……
………
翌朝。
全てを忘れ、幸せな惰眠を貪っていた彼女の耳に、切り裂くような悲鳴が飛び込んできた!
「ぎゃー!!!ちょっとー!ミミズがベランダ中に脱走してるんだけどー(怒)」
……わたし、もう、ダメかもしれません。
待て、次号!
(続く…かも?)